学習者の母国での結婚式で号泣

日本語教室で活動する市民パートナーの寺岡さんに、活動を行うようになったきっかけなどを聞きました。

☆外国人支援の活動を行おうと思ったきっかけは?

「今勉強している中国語を使いたい!」これが最初の動機です。何も日本語を教える技術を持たず、日本語教室の門をたたきました。いざ日本語の授業を始めると、何も教えることができませんでした。

☆活動をしていて楽しかったことは?

約20年のボランティア生活。出会った学習者も数しれず。いろいろな国の学習者と話すことが出来て、日本にいながら世界中を旅行している気分になれることです。

☆印象に残っていることは?

学習者の結婚式に参加したことです。母国で結婚式を挙げると言うので、参加させてもらいました。式の中で流れた写真を見て私は大泣き。式で流れた写真は、いつも勉強の時に見せてもらっていた恋愛中の二人の写真でした。日本と母国との、5年間の遠距離恋愛の写真です。長い時間、 二人は頑張ったなあと思ったら、もう涙が止まりませんでした。まるでお母さんになった気分でした。

☆活動の方法は?

自宅近くに、日本語教室活動をしている公民館があり、そこで活動をしています。ある日の教室活動では、こんなことがありました。学習者はアメリカ人で、日本語能力は初級レベルです。

 学:昨日マフィンを作りました!
 私:材料は何ですか?
 学:(首をかしげ、材料の意味がわからない様子)
 私:(ボールに物を入れて、かき混ぜるジェスチャーをする)
 学:ああ、卵とバターと…えーっと白い粉?……
 私: (小麦粉を言いたいのだなと思い、某製粉会社の「フラワー」が載っているチラシを見せて)
   これですか?
 学:そうそうこれです!フラワーです!  
 私:えっ?

さっき日本語が読めないって言ったのに、何で読めるの?しかもカタカナだし。みなさんは、なぜそのアメリカ人がフラワーと言ったのかわかりますか?そうなんです。英語で小麦粉をflourと言うんですね。私は知りませんでした。私はずっと「フラワー」イコール某製粉会社の商品名だと思っていましたから。授業の後は二人で大笑いしまし た!

☆活動を通して、自分が変わったと思えることは?

日本語の教え方を一生懸命勉強しました。学校へ通ったり、研修会にいくつも参加したり。学んでも学んでも、どれが正解かわからなくなることもあります。それでも、ボランティア活動を続けながら、どうすれば学習者に楽しんでもらえるかを考えています。 また、自分が日本に興味を持つように、努力するようになりました。