学習者の不十分な日本語をどう聞くかを考えるシリーズの最終回。最終回で取り上げるのは、聞き手が読み取ったことを相手に伝えるとの意義です。アルクの『日本語ジャーナル』では、次に掲載されています。

「外国人との会話ー言いたいことに寄り添い、理解を伝える大切さとは」
(アルク『日本語ジャーナル』)

私たちが、相手の言っていることを理解できるのは、なぜでしょうか。それは、相手が自分の知っている語彙と文法を使っているからでしょうか。もちろん、一般的にはそう考えられます。ただ、私たちが日々、直面するコミュニケーションの中で、相手が使っている語彙と文法が全て分かったとしても、相手の言おうとしていることが分からないことがありませんか。その場合、私たちは、相手の言っていることから相手の言おうとすることを読み取り、それを相手に伝えながら、その人が言おうとすることにたどりつかなければなりません。相手が学習者の場合も同じです。違うのは、学習者の場合、日本語の語彙と文法が限定的であることです。したがって、私たちは、学習者とコミュニケーションをとっているときは、日本語の母語話者間で行うコミュニケーションのときよりもいっそう相手が言っていることから本当に言おうとすることを読み取り、それを伝えていく協力が求められます。詳しくは、アルクの『日本語ジャーナル』をお読みください。