学習者の不十分な日本語をどのように聞くかを考えるシリーズの第1回。学習者のことばをどのように聞いたらいいのかを具体的に考えていきます。ただ、具体的にどのように聞いたらいいのかは、すでにアルク『日本語ジャーナル』に掲載されているので、ここでは、『日本語ジャーナル』のコラムを紹介しながら、そこで書けていないことを補います。

外国人の日本語をきちんと「聞く」ためには、丁寧な「問いかけ」が必要
 (アルク『日本語ジャーナル』)

「言葉は、それを聴こうとする耳にしか届かない。関心のない人には、どれほど情理をつくしても伝わらない」。これは鷲田清一さんが朝日新聞「折々のことば」(2018年12月14日)で述べたものです。相手の言葉を聞くためには、まず、相手の言葉を聞こうとしないといけない。あまりに当たり前のことのように思うのですが、このあまりに当たり前のことが成り立つか成り立たないかで、話し手が伝えられることは全く異なります。どう異なるかは、上記のコラムをお読みください。