サードプレイスと日本語教室
こんにちは。NPO多文化共生プロジェクトの代表を務める深江新太郎です。
今、私たちは、サードプレイスと日本語教室をテーマにしたシンポジウムの準備を行っています。家庭(第1の場所)でも、職場・学校(第2の場所)でもなく、人々が自由に集い、語り合えるヨーロッパのカフェのような場所が、サードプレイス(第3の場所)のもともとの意味です。私がサードプレイスということばを初めて知ったのは、大学院生のときでした。そして、今年のゴールデンウィークに、レイ・オルデンバーグ(忠平美幸訳)『サードプレイス』を読みました。なぜ、『サードプレイス』を読んだのか。それは、地域の日本語教室を明確に位置づけられるヒントがある、と思ったからです。地域の日本語教室は、日本語教師ではないボランティアが日本語を教える場所、ではありません。教室に携わる一人ひとりの市民が、生きがいと共に活動を行っている姿に触れ、日本語教育に関する専門性とは異なる観点から、この市民活動を考える必要性を痛感しました。その際、地域の日本語教室を、小さな日本語学校と捉えるのではなく、地域のサードプレイスと捉えることで、その価値を十分に考えられると感じています。
現在、サードプレイスという概念は広がりを見せ、地域課題の解決に向けて人々が自発的に集まり活動を行う場所に対しても用いられ、目的交流型のサードプレイスと呼ばれています*。そこで、地域の日本語教室を目的交流型のサードプレイスとして捉え直し、そこで活動する市民のリアルな姿を考えたい。そのような思いを共有するメンバーが集まり、この10月15日にシンポジウムを開催予定です。
◆サードプレイスとしての日本語教室は可能か-いっしょにつくる「あなたと私の場」
詳細は、お盆明けに公開予定です。どうぞご期待ください。
*片岡亜紀子・石山恒貴「地域コミュニティにおけるサードプレイスの役割と効果」,石山恒貴『地域とゆるくつながろう!ーサードプレイスと関係人口の時代ー』
